KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年5月号
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赤ちゃんや子どもの病気全てを担当する小児科。中でも大学病院の小児科は難しい治療や手術が必要な子どもたちを受け入れる役割を担っています。専門分野を持つ先生方が集まり、多くの診療科と連携しながら治療に当たる神大病院小児科の野津寛大先生にお話を伺いました。―大学病院の小児科が担っている役割は。子どもさんが風邪をひくなど体の具体が悪いときにはアクセスの良い近所の開業医さんを受診し、入院が必要な病状であれば地域の中核病院で治療を受けます。神戸市なら甲南医療センターや中央市民病院、西市民病院などがあります。さらに専門性の高い治療が必要な子どもさんが大学病院へ来ます。一般の小児科とは少し違う役割を持つのが大学病院の小児科です。―専門性の高い治療が必要な病気とは?子どもの病気全体の中で多いのですか。 悪性リンパ腫や白血病、骨肉腫などの悪性腫瘍、腎臓病でいえば透析が必要な患者さん、重度のてんかん患者さんなど、一般の小児科医では治療ができない病気です。全体の中ではごく一部です。―赤ちゃんの病気も小児科の治療範囲ですか。そうです。新生児医療は神大病院が力を入れている分野の一つで、兵庫県の総合周産期母子医療センターの一つが開設されNICU(新生児集中治療室)12床を備えています。周産期・新生児専門医と産婦人科医がタッグを組み、小児外科をはじめ他の診療科とも協力して新生児疾患の集中治療と妊婦さんのケアに当たっています。―小児科には専門分野を持つ先生方が集まっているのですね。成人の内科の場合は消化器内科、神経内科、糖尿病内科などに分かれていますが、子どもさんの内科疾患全てを扱う小児科では腎臓、血液、神経筋代謝内分泌と大きく3つのグループに分かれ、それぞれ優秀なエキ神大病院の魅力はココだ!Vol.20神戸大学医学部附属病院小児科野津 寛大先生に聞きました。76

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