KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年5月号
7/124

「塩とオリーブオイルだけで野菜をこんなに美味しく食べられるのか!」。学生時代、アルバイト先でシンプルな調理法で素材の味を生かすスペイン料理に魅せられた大槻秀典さん。卒業後は一旦就職し、社会勉強をしてから料理の道に戻った。13年前にオープンした「コメドール エステラ」は自然の光と風を感じながらくつろげる〝我が家の食卓〟。提供するのはスペインの素朴な伝統料理。衝撃的な味や派手な見た目はない。基本は食材選び。米は西宮市山口町の農園で栽培される減農薬、野菜は同じ農園の無農薬のものと地元のものを。魚介は淡路と播磨灘産を選ぶ。四季折々、旬の食材を取り入れて調理法を工夫し、定番のパエリアは魚介や鶏肉、野菜などで時間をかけてとるスープを使って深い味わいを出す。シンプルの中に隠れている細やかな心遣いと手間ひまを食べる人に感じさせないのが〝大槻流〟。「食べて『美味しい』と言ってもらうことだけを考えています」という言葉に肩ひじ張らずにスペイン料理を楽しめる我が家の秘密があるようだ。comedor ESTELA (コメドール エステラ)神戸市中央区中山手通4-16-14TEL.078-271-1203Lunch  12:00~14:30Dinner 18:00~21:30火曜定休ファバダスペイン産の大粒白インゲン豆と塩豚の煮込み 辛くない赤唐辛子ピメントの優しい香りお店づくりのコンセプトは「我が家の食卓」淡路の天然真鯛のソテー旬のホタルイカと菜の花、生ハムを使い、ニンニク、玉ねぎ、オリーブオイル、白ワインで調理するシンプルなソースでオーナーシェフ大槻秀典さん7

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る