を取り入れることにより、手塚ヒロインはより自在に枝葉を広げ、自立し、発展してゆきます」そして〝手塚ヒロイン後期〟。キャラクターは、『ブラック・ジャック』のピノコなどだ。今回の展示のテーマとなっている『リボンの騎士』のサファイアなどで、るみ子さんは「少女漫画を描くことによって、手塚自身が読者である少女を意識するようになる。当時の少女の憧れや環境や社会背景「ある時期から少年マンガの手塚ヒロインたちは、男性主人公と同等に活躍の場を広げます。彼女たちは主人公を支えるだけでなく、叱咤激励し、男として成長させる、大事な役割を持つパートナーでもありました」『ブラック・ジャック』の連載当時、ピノコはよく、るみ子さんがモデルではないかと言われていたと聞くが?るみ子さんは笑いながら、「当時は友だちからもそう言われ、嫌でしょうがなかったのですが、今になって思えば、私はピノコそのものだったのでしょうね。わがままだし、人の言うことを聞かないし…」と振り返った。「手塚にとって女性は永遠に謎めいた存在だったようです…」娘としての鋭い視点を交えながら、そしてプロデューサーとして、作者の意図を明確に語ってくれた。そこには、女性を描く際、〝神である手塚〟が人間らしさ、弱点を露呈してしまう、と23
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