こうとしているのか、さっぱりわからないまま、エイッ、ヤッ、とキャンバスに筆を叩きつけます。一種のチャンスオペレーションみたいなものです。僕は何をするにしても、稽古や練習というのが大嫌いです。いきなり本番です。その辺はアスリートに近いかもしれませんね。いきなり本番の方が、力が入るように思います。計画を立てたり、練習などをすると、常に用心深くなります。集中したエネルギーを発揮するためには、いきなり本番の方がパワーアップします。このようなやり方は、非常に危険かもしれませんが、危機感を抱いて事を起こすのが、なぜか性に合っているんですよね。本展は、このような危機感の中で描いた作品ばかりが集められています。だから観賞者もヒヤヒヤ、ドキドキしてご覧になったんではないでしょうか。絵というのは、そのまま作家の生き方を反映します。緊急事態宣言展会場風景15
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