KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年4月号
95/124

■甲子園 素盞嗚神社兵庫県西宮市甲子園町2-40 連載コラム 「球きゅうゆうさいかい友再会」   文・写真/岡力<コラムニスト> あの日あの頃、いつの時代も白球のそばにはドラマがある。このコーナーでは京阪神の野球にまつわる様々なエピソードをご紹介します。Vol.6 球春到来、聖地の右翼から野球人を見守り続ける 『甲子園 素すさのお盞嗚神社』宮司・畑中秀敏さん「創建して約400年以上になります。正式には、神社の裏に甲子園球場があります」。そう笑うのは『甲子園 素盞嗚神社』宮司の畑中秀敏さん。大正13年に阪神甲子園球場が完成して以降、多くの野球関係者がこの地を訪れ必勝祈願をしている。「ここで生まれ育ちましたので、もちろん阪神ファンです」。幼少期、近隣には選手寮があり裸電球一つのプレハブで練習に打ち込む虎戦士を間近で感じた。また契約更改時のインタビューでは自宅である神社が背景になった。現役時代に掛布選手がうさぎ跳びや素振りの練習をしたという境内には数々の伝説がある。2003年に星野仙一監督がシーズン前に参拝(後に揮毫モニュメント竣功)、続く2005年には岡田彰布監督が野球塚へ揮毫し共にリーグ優勝した。また、この地が「(球児にとって)出発点であり帰着点でもある」という発想から絵馬舎前にはベース型の敷石があり、毎年8月になると児童による奉納素振りが行われている。「一年中、野球に関わる様々な方で賑わっています。特に若い方が他人のために願掛けしてくださるのが嬉しいですね」。最後に今年の阪神タイガースについてお聞きした。「若手も育ってきおり岡田監督には期待しております」。絵馬に願いを込めて今シーズンは虎視眈々とアレを狙う。岡田阪神に期待を寄せる宮司の畑中秀敏さん絵馬舎前の野球塚野球にちなんだ必勝祈願のお守り95

元のページ  ../index.html#95

このブックを見る