KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年4月号
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harmonyVol.62はーもにぃ公益社団法人家庭養護促進協会事務局長橋本 明戦争が障がい者をつくるロシアによるウクライナへの侵略戦争はもう2年目になりますが、朝日新聞にウクライナの障がいを持つ人たちの戦時下における暮らしについての記事が掲載されていました。(2023・1・19) マムシェム・ミッシェンコさん(30)は7年前に橋から川に飛び込んだ時に脊椎を損傷し、首から下の感覚は無くなり、腕を少し動かせるだけで、電動車椅子で生活しています。戦争前は電動車椅子があれば、一人で外出し、買い物や散歩を楽しんでいました。しかし戦争が始まると状況は一変し、電動車椅子は重いため、空襲警報が鳴ったときにシェルターに運んでもらえない可能性があるため、手放さざるを得なくなり、軽い手動の車椅子に換えました。しかし、警報が鳴ったとき、シェルターへの避難は難しいため、自宅の廊下に避難するといいます。北東部ハルキウのアンナ・ベリャブツエワさん(46)は耳が聞こえにくく、補聴器を使っていますが、空襲警報の音が聞こえづらいし、補聴器の電池の入手が難しいそうです。彼女は戦争が多くの人に新たな障がいをもたらしている、と言います。前線で兵士が負傷するだけでなく、市街地でも空爆の爆音で耳が遠くなる市民が大勢いるそうです。ウクライナにはロシアの侵攻前、推定約270万人の障害のある人がいたと言われていますが、侵攻後多くの人が支援や情報へのアクセスが遮断され、深刻な危険にさらされているとのことです。戦争は新たな障がい者を生み出します。戦闘による身体の障がいだけでなく、心を病む人たちを数多く生み出し、生活や人生を激変させてしまいます。その障害や病気は長期にわたり、国の財政面での負担になります。戦争や戦闘によって生じた難民、避難民は昨年世界中で1億人を超えたそうです。人間は古来、戦争のもたらす災禍を知りながらもなぜまた戦争を続けるのでしょうか。愛の手運動は親に育てられない子どもたちに、里親・養親を求める運動です。募金箱の設置にご協力いただける方は協会にご連絡ください。公益社団法人 家庭養護促進協会 神戸事務所神戸市中央区橘通3-4-1 神戸市総合福祉センター2FTEL.078-341-5046 https://ainote-kobe.orgE-MAIL:ainote@kjd.biglobe.ne.jp80

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