とても怖いものと認識していても、他人事と思いがちな心臓や血管の病気。体の中でどんなことが起きているのでしょうか。詳しいお話を岡田健次先生に伺いました。―心臓と血管の働きについて教えてください。心臓は1回の収縮で70~80mlの血液を送り出します。1分間で約5ℓの血液が動脈を通って体中へと供給され、静脈を通って心臓に戻ります。動脈の中でも最も太い大動脈は心臓からアーチ形に走行し背部を通り腹部に向けて血液を送り、両足へと分かれて脚の先まで血液が届きます。大動脈からいくつもの分岐する血管に向けて血液が送られ、脳をはじめ体中の臓器が働いています。―心臓血管外科の役割は?ところが様々な理由で動脈硬化が進むと血管が傷んできて狭い部分ができ血流障害が起きます。心臓血管外科ではそのような理由で血液供給量が足りなくなって起きる虚血性心疾患や動脈瘤に代表される大動脈に関わる疾患を扱っています。これら疾患は命に直結するものであるため、24時間対応し早急に外科治療を行うことが我々の重要な役割です。―動脈硬化によって起きる大動脈に関わる主な疾患は?大動脈が膨らむ大動脈瘤があります。ある程度の大きさになると破裂する危険性が高まるため、それを予防するための手術が必要になります。破裂すると大変で緊急手術しか治療法はなく命にも関わることになります。もうひとつの代表である大動脈解離は高血圧を有する方に多くみられ、血管の内壁の層に傷が入り血液が流れ込み血管の壁が縦方向に裂けていきます。発症時には肩から背中にかけて激痛が走り、破裂の危険性や、様々な臓器への血流障害を引き起こすこちらも非常に危険な状態を引き起こします。―心臓の疾患にはどういうものがあるのですか。大動脈から起始し心臓の表面を走行し心臓の筋肉に血液を供神大病院の魅力はココだ!Vol.19神戸大学医学部附属病院心臓血管外科岡田 健次先生に聞きました。76
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