KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年4月号
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―日本糖尿病協会と日本糖尿病学会が共に取り組む「アドボカシー活動」とは。日本におけるアドボカシー活動は社会全体の意識を変えて、就職や昇進で不利益を被ったり、結婚などで差別を受けたりすることのない社会実現が目的です。ところが思い込みにとらわれて差別意識を持つ人が未だにいるのが現実です。糖尿病のある人も、糖尿病のない人と同じような社会生活が送れるようにしてあげたいというのが私の考えです。―その方法の一つとして「ことばの見直し」を進めておられるのですね。「糖尿」ということばは尿糖しか検査方法がなかったころの名残で、血糖測定が簡便に行われるようになった現代には合いません。患者さんへのアンケートでも多くの方が「不快に感じる」という結果が出ています。また「糖尿病」とひとくくりにされていますが、1型はインスリンを分泌できなくなり、2型は体質によるところも大きいのです。ところが「自己管理ができず食べ過ぎる人」などという誤解がありスティグマが生じています。糖尿病は決して「尿」に「糖」が出る病気ではないのです。―その他、スティグマが生じやすいことばを教えていただけますか。糖尿病のない人と変わらない生活が送れるのですから、体を休めて健康の回復を図る意味合いの「療養」はそぐわず、「治療」「医療」などが適切です。医療従事者から一方的な「指導」は目標達成のために共に考える「支援」「サポート」などに置き替える必要があります。ことばは医療現場でも見直し、世間に理解を求めていくことが大事だと思っています。―最後に、栄養学もご専門の清野先生から食事についてのアドバイスを頂けますか。65歳以上の方は、筋肉・筋力維持のために野菜よりたんぱく質の確保が重要です。血糖を下げるホルモン分泌を促すたんぱく質豊富な肉や魚を先に食べ、最後に炭水化物。食後に運動すると健康寿命を延ばすためにも効果的です。糖尿病があるからといって血糖管理のために生きるわけではなく、治療は人生の目標に向かって生きるための手段にすぎないのです。日本イーライリリーは、世界で初めてインスリンの製剤化に成功した米国イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人として、1975年設立以来、神戸市に拠点を置き、日本の患者さんのより豊かな人生のために安心・安全な医薬品を提供しています。今後も糖尿病とともに生きる一人ひとりに寄り添い貢献してまいります。日本イーライリリー株式会社ことばが持つ負のイメージをなくそう71

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