KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年4月号
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手法と、舞台とはまったく違います」と打ち明ける。その違いについて、「映画、ドラマなど映像の芝居では、ワンシーンワンシーンを演じる瞬発で主演の木村拓哉さんと共演し、俳優としてのキャリアを磨いてきた。それでも、「これまで身につけてきたカメラの前での演技の力が必要ですが、舞台では持続力が求められますから」と説明。そして大きな課題がもう一つ。「セリフの発声が大きく違う。語尾をはっきりと発音するようにと、ずっと怒られています。映像と違い、セリフの語尾が聞こえないのは舞台では御法度です。共演者たちにも注意され、自分では意識しているつもりですが、なかなか直らなくて」と困惑した表情を浮かべた。俳優として生きる父は今や映画やテレビドラマなど映像界で欠かせない存在の実力派俳優、佐藤浩市。祖父は歴史に残る数々の名画や傑作ドラマに名を刻む大御所俳優の三國連太郎。俳優の家系に生まれた三代目の宿命として、世間は当たり前のように、自分に俳優になることを求め、また、そう期待されていることをひしひしと感じながら育ったという。25

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