華な色彩に目を奪われますが、この模型の木組みをみると、細く短い材を組み合わせて、巧みに大きな構造体をつくりあげていることがわかります。中国では早くから大径木が欠乏したため、短く小さな材でシステマチックに建築をつくる技術が発達しました。この太和殿斗栱構造模型は、中国の建築生産の合理化が完成の域に達していることを示す典型的な例です。木材が豊富な日本は、ある段階から刻みの精度、仕上げの美しさにこだわるようになりますが、中国は材木の表面を塗装し、合理化、システム化の道を歩んできたといえるでしょう。その違いが道具のカタチや使い方にも現れています。(学芸員・崔ゴウン)神戸市中央区熊内町7-5-1Tel.078-242-0216休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)https://www.dougukan.jp/ 紫禁城太和殿斗栱構造模型(縮尺1/5)TAKENAKA CARPENTRY TOOLS MUSEUM竹中大工道具館15
元のページ ../index.html#15