畳について紹介してきたこのシリーズもいよいよ最終回、畳表を畳床に張り付け、畳の縁を縫い付けます。畳は畳表、畳床、畳縁の3つのパーツを合わせて仕上げますが、この作業は畳職人の仕事になります。まずは畳表と畳床を正確に採寸・裁断します。特に畳床は、ずれが生じると敷いたときの隙間や段差の原因になるため慎重に切っていきますが、近年はコンピュータ制御により0.1ミリ単位での調整が可能になっているそうです。次に、裁断を終えた畳床と畳表を縫い合わせます。専用の機械を使用し、畳床の表面に畳表をかぶせ、たるみがないようにピンとしっかり張り、短辺の畳の端、カマチの部分で縫い付けます。糸は綿や麻のほか、昨今は耐久性にすぐれた合成繊維も用いられます。長辺の縁の部分には、畳縁を縫い付けていきます。畳縁は畳の端の部分の摩耗を防ぐだけでなく、敷き詰めた際の隙間を締める役割もあります。かつては色や紋様がその建物のステ平尾工務店木のすまいプロジェクト失われつつある日本伝統の建築文化を未来へ。連綿と受け継がれてきた匠たちの仕事をご紹介します。畳編|Vol.8畳表張り付け・畳縁付け120
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