KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年3月号
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―私たちはどう気を付けたらいいのでしょうか。最近、腎臓検診の啓発活動で「沈黙の臓器にも出せる声がありました」と耳にされるのではないでしょうか。GFR値です。これは健診の項目にもあるクレアチン値から算出されます。しかしGFR値が低下している段階では既に腎臓の機能は低下し始めています。腎機能低下の速度を抑え、腎臓を保護する治療で生活の質向上は可能ですが、残念ながら失われた機能を回復させることはできません。ごく初期の段階であれば腎機能が落ちる前に根治治療が可能な場合もあります。健診の尿検査で尿たん白、尿潜血の異常が認められたら必ず専門医を受診してください。藤井先生にしつもんQ.先生ご自身のリフレッシュ法は?A.もともとスポーツが好きで、小さい頃から剣道をずっとやっていましたし、大学では野球もやっていました。今は子どもと一緒に出かけたり、野球を教えたりするのが楽しみです。子供と一緒に体を動かすのが一番のリフレッシュ法です。Q.循環器がご専門ですか。A.私が大学を卒業した当時はどこの科に入るのかを卒業と同時に決めなくてはならず、いろいろ診れる内科を考えました。その中でも当時の第二内科はメインが糖尿病で、消化器や一般内科なので幅広く診られるかなと思い、選びました。大学病院の研修でいろいろな内科を回っているうちに、循環器がおもしろいと思うようになり、選んだ第二内科の診療範囲ではなかったのですが、医局長にお願いして国立循環器センターに行かせてもらい、3年間研修をして循環器の専門医資格を取りました。Q.同時に腎臓も専門にされたのはなぜですか。A.腎臓が悪いと循環器の疾患を多く発症し、しかも治療が難しくなります。ですので、腎臓内科医になればさまざまな循環器疾患が診れると思いました。難しい分野に挑戦して両方を診られるお医者さんになろうと、研修から帰ってからさらに大学で腎臓および循環器の勉強をしました。Q.藤井先生はなぜ医学の道を志されたのですか。A.中学生のころからサラリーマンにはなりたくないと思っており、何らかの国家資格を取りたいと思っていました。弁護士に関しては、法学部に入れたとしても司法試験浪人をするかもしれない。何度も試験を受けるなんて自分には耐えられないだろうなあと思いました(笑)。高校生になって理系を選択し、その中でも生物系が好きだったので、入るのは難しいが確実に取得できる医学部に入って、医師免許を取ってお医者さんになろうと進学を決めました。99

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