KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年3月号
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体の中でいろいろな機能を担っている腎臓。生活習慣病など、私たちにとって身近な病気と大きく関わっています。詳しいお話を腎臓内科の藤井秀毅先生にお聞きしました。―腎臓はどんな臓器ですか。どういう働きをしているのでしょうか。腎臓は腰のあたり背中側に2つあるそら豆のような形をした臓器です。その中に細い血管が絡み合った塊のような状態の糸球体という構造があり血液が流れています。ろ過機能があり水分などをこし出して尿細管という管へ送り出し、必要なものがあれば再吸収します。その後、太い尿管という管を通り、膀胱にためられ、不要物が水分と一緒に尿として体外へ排出されます。―私たちがよく知っている尿を作る働きですね。他にも腎臓にはいろいろな機能があります。血圧をコントロールするホルモンを作っており、過剰な塩分を排出したり必要なときには再吸収したりして調整しています。さらに紫外線や食べ物から体に取り入れられたビタミンDを最終的に活性化させ、カルシウムやリンを調節することやそれによって骨を強くする働きをします。―生活習慣病をはじめ、いろいろな病気と深い関わりがありそうですね。そうです。例えば糖尿病や高血圧のある人は腎臓の機能が落ちます。逆に体にとって大切な腎臓の機能が落ちると高血圧、高尿酸血症、骨粗しょう症などが発症し、生活習慣病があるとさらに腎臓の機能が悪くなります。体の外に排泄できなくなった老廃物がたまったり、役に立つホルモンが減ったり過剰に増えたり、原因はいろいろ考えられますが、脳や心血管の病気を起こしやすくなります。―ホルモンを作る機能もあるのですね。腎臓には赤血球の産生を刺激するホルモンを作る機能があ神大病院の魅力はココだ!Vol.18神戸大学医学部附属病院腎臓内科藤井 秀毅先生に聞きました。96

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