KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年3月号
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重厚な木の扉を開けるとその向こうに贅沢な空間「玄斎」がある。神戸へ来て19年、この地で4年目。「ゆったりしたスピード感が私には合っています」と店主の上野直哉さん。いくつかの候補地の中で決め手になったのは「神戸は食材が豊富でおもしろい」。兵庫県内には瀬戸内海と太平洋、日本海があり、山があり、農家があり、在来品種の作物もいろいろ栽培されている。「地元の食材探しが楽しみです。もちろん全国の美味しいものも取り入れて変化を付けています」和食の心得や技の基本は修行した京都「菊乃井」、父親の下で働いた大阪の実家「浪速割烹㐂川」にある。そこに「いたってシンプル。技はたくさん持っているが前面に押し出さない」という自分らしさをプラス。「感動した」より、例えば「里芋、美味しかった」と言ってもらえるほうが嬉しいという。弟子たちも巣立った今は上野さん一人で料理を作り、食材を無駄にしたくないからコースのみの提供にした。「こんな直球型の和食店があってもいいんじゃないかな」玄斎神戸市中央区中山手通4-16-14TEL.078-221-8851平日・土曜 16:00~、19:00~日曜・祝日 12:00~、17:00~いずれも2時間制、コース¥10,000(税・サ込)月曜・金曜休み。金曜は貸し切り可〈炭火焼き2種〉(左)播磨灘・坊勢島産からすみを使った鰆のからすみ焼き(上)神戸ポークと姫路蓮根焼き〈お造り〉沼島の平目と長崎のヨコワ赤松の大きな一枚板カウンター2つがL字型に配置され8席限定7

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