─神戸に関する弁当が多いですが、そのような商品はいつ頃から出てくるのでしょうか。寺本 戦後、神戸の牛肉が有名になってきたことに目を付け、3代目の寺本淳巳の時代に考案したのが「肉めし」です。昭和40年からですから半世紀以上のロングセラーですね。我々関西の人間は「肉」と言えばビーフなんですね。でも、関東ではポークやチキンも含めて「肉」なので、こっちはビーフのつもりで「肉めし」なのに、それが伝わらない。そこで、牛の絵をパッケージに描くことにしました。─その後、続々とユニークな弁当を開発していきます。寺本 先代の父(寺本滉)がほかと違うことを考えることが好きでしたからね。紐を引っ張って熱くなる弁当は日本初です。駅ではできたてを提供できないので、食品衛生上、弁当を冷却しないといけません。それを温めるとなると電子レンジで加熱する訳ですが、列車内ではそうはいきませんよね。そこで、石灰を水と反応させ水蒸気で温める方法を容器メーカーと共同で開発したのが「あっちっちスチーム弁当」。昭和62年のことですが、いまも売れ筋です。また、わさびを利用した抗菌シートも製薬メーカーと共同で開発しています。ツボにはまったヒット商品─大人気商品、「ひっぱりだこ飯」はいつ販売されましたか。寺本 平成10年です。阪神・淡路大震災で神戸も弊社もダメージを受けまして、何か考えないといけないなという時に明石海峡大橋ができて、それを機に考えました。だいたい年間65万食売れていますが、国民の10人に1人が食べたという計算になる1000万食の時に、記念に「金のひっぱりだこ飯」をつくって、金があるならと銀もつくって。鉄道にかかわる商品も続々誕生!創業120周を記念「めでっ鯛飯」36
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