く加工する時は首が太くて丈夫なノミをガンガン叩き込むことになりますし、繊細な作業に使うノミは首も細くて小柄です。削る幅に応じて複数の刃幅があり、さらに曲面用、細長い穴専用、溝の底専用など、特殊な形のノミもありました。同様にカンナやノコギリ、キリやヤスリや金槌も、用途に応じて様々な種類がありました。昭和十八年当時はこれが標準的な大工道具一式だったのです。そして仮に出番の少ない道具でも、きちんと手入れしていつでも使えるようにしておくのが一人前の大工の心構えでした。道具に対するこだわりが、質の高い建築を生み出していたのです。(学芸員・安田徹也)神戸市中央区熊内町7-5-1Tel.078-242-0216休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)https://www.dougukan.jp/ 大工道具の標準編成。179点の大工道具TAKENAKA CARPENTRY TOOLS MUSEUM竹中大工道具館13
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