は、長崎ハーブ鯖やイカなど新鮮な魚介が楽しめる。アメリカ海軍基地の街らしく外国人バーやジャズバーなどもあり、まさに多彩だ。三川内焼の郷に行くに合わせ、極上の器で食事をするのもいいだろう。ホテルオークラJRハウステンボスの最上階レストラン「鉄板焼 大村湾」には、三川内焼の器で楽しむディナーがあり、総額で10万円ほどの美しい器に長崎の幸が盛り付けられる。予約が必要で、要望次第でランチタイムでも用意してもらえる。2日目極上の白磁 三川内焼佐世保の朝は、朝市にでかけるのもいいだろう。海産物や農産品に陶器や衣類まで約40軒がならぶ(日曜休)。朝食を済ませば、三川内焼の郷へ。まずは三川内焼美術館へ向かうことをお勧めする。JRで三河内駅までは乗り換えもあり20〜30分、駅から徒歩約10分。窯元まで行くなら、隣の土産物店「させぼ四季彩館」からタクシーが利用できる。長崎空港まで帰ることを思えば、佐世保駅前でレンタカーを借りるのもいいだろう。三川内焼の特徴は、透きとおるような純白の白磁と呉須の濃淡で描く繊細な染付技術、透かし彫りなどの優れた技法にある。「本物を知る大人にこそふさわしい」伝統工芸品だ。古くは平戸焼と呼ばれ、平戸藩の御用窯として四百年以上の歴史がある。朝廷をはじめ将軍家への献上品や海外との交易のために作られた白磁は、手作りならではの採算を度外視した精巧な技法によるもの。明治時代以降も国内外の富裕層に向けた繊細な細工や造形は人気を博し、三川内焼の「手間をかける」精神が現代にも連綿と受け継がれている。三川内焼美術館では、歴史とその技法を古美術品や現代の名工による作品を通じて紹介。約1ミリという卵の殻のような究極の薄さを追求した作品などもあり、見応えは十分。展示販売されている豆皿は、1枚として同じものはなく、焼き物好きにはたまらない。三川内地区には、多くの窯元があるため、ギャラリーを見て回るのもいい。2021年長崎県三川内焼美術館に並ぶ豆皿126
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