KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年2月号
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調」デザインを生んだ早良俊夫の意匠を愛でながら各室をめぐり、淡路島を望む絶景の展望台にも上がった。ここはレストランとして活用されているのでディナーも。神戸の食文化も体感すべく、洋食の代表的なメニュー、カツレツに舌鼓を打った。食事の前後にもさまざまなプログラムが。神戸フィルムオフィス代表の松下麻理さんを招き、神戸の洋風文化の成り立ちと、歴史的建築物を活用したロケについて語ってもらった。旧乾邸やジェームス邸の家具や内装を手がけた老舗家具店、創業150年の永田良介商店の六代目の永田泰資さんのトークショーもあり、神戸家具の歴史や文化財の補修などこのような機会でしか聴けない秘話もいろいろ。最後は神戸のジャズ文化を目と耳でと、生演奏もおこなわれた。今回訪ねたスポットは見学するだけでも興味深いが、その背景にある文化を学ぶとより印象が深くなる。今回のツアーを叩き台にして、神戸の多面的な魅力を高めるツーリズムが実現するのではないかと期待される。乾新治氏の自宅として1935年頃に建てられた和洋館。渡邊節の設計旧乾邸52

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