高の人生をイメージして作曲しました」日本から和太鼓を引っさげ、クラシックの本場・欧米のオーケストラと〝競演〟してきた自身との人生を重ね合わせるようにしながら、林さんは楽曲の過程を説明してくれた。世界を変えた和太鼓の力1976年、林さんの所属していたグループは、世界的指揮者の小澤征爾さんが指揮するボストン交響楽団と共演するチャンスを得た。「リハーサルが始まったとたん、多くの楽団員が和太鼓の音の大きさに顔をゆがめ、あからさまに耳をふさぐ奏者までいました。しかし、本番では初めて和太鼓演奏を聴いた米国の聴衆たちは、スタンディングオベーションで和太鼓の音を受け入れてくれたんです」その後、北米や欧州などで行った公演会場では、「日系人や黒人、ヒスパニック系などマイノリティーの人たちが涙を流しながら聞いてくれた。白人社会23
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