KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年1月号
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大神(いざなぎのおおかみ)や伊弉冉大神(いざなみのおおかみ)ら八柱の鬼門大金神をお祀りしている。さらに熊野大権現の十二菩薩=阿弥陀如来や釈迦如来ほかもお祀りされていて、都合49もの神仏が集っている。また、件の隕石も秘宝として収められている。方位を司る神々がおはすことから、土地のお祓いの依頼が多いという。建築現場などでも端から端まで、回り方の順番もあるので行きつ戻りつていねいにお祓いをするので大変で、「エキスポランドでは車で移動したんですよ」と宮司。竹中工務店との関係が深く、あべのハルカスは工事開始前から完成前まで8年間、隔月で安全祈願をしたそうだ。さて、それまでは「知る人ぞ知る」存在の高御位神宮だったが、時代の流れにあわせてもっといろいろな人たちのお役に立ちたいと、例えば家相の相談や地鎮祭なども積極的に承り、最近はホームページの開設など広報活動にも力を入れている。参詣すれば御朱印もいただけ、授与品も充実。御神酒はワインと粋だ。ドライブやハイキングがてらにでもちょっと立ち寄って、日本人の「心のふるさと」である神仏習合にふれてみたい。そして何かを得たら、ぜひ奉賛会に加入しよう。そもそも神道にドグマがないのは、宗教という概念よりも前から存在するからに違いない。修験道のベースとなった山岳信仰ともなればそれよりも昔からある。人間は神様の分け御霊。そして人は亡くなればみな仏様。ゆえに、己を律し、他人を敬うことが人の道だということを、ここ、高御位神宮が伝えているのだと思うし、それこそがコロナに疲れ、戦争が続くこの世界に求められているものではないだろうか。「神仏は裏表。両方に手を合わせることが大切なんですよ」という福岡宮司のことばが、スッと胸に染み入った。宗教法人 高御位神宮神祇本庁宗教法人 熊野修験道本庁兵庫県加古川市志方町成井486-1TEL.0794-52-364893

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