KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年1月号
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ここ数年、頻繁に「異常気象」という言葉を耳にしますが、本当に地球はおかしくなっているのでしょうか?昔と比べて、雨の降り方が激しく気温の高い日が多いのは、観測データが示しています。1970年代に配備されたアメダス(※1)を見れば、いわゆる土砂降りの雨、道路が冠水するぐらいの1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降る回数は、40年前と比べておよそ1.4倍です。確実に昔よりも雨が激しくなっています。地球全体でみても産業革命前の170年程前と比べて、気温がおよそ1.14度上昇しています。ほんの数十年前と比べ、人生の中で気候の変化を感じるのは、よほどの事態。少なくとも過去2千年にはなかったことです。地球46億年の歴史でいえば、今より気温が高かった時期もあるし、もっと寒い時期もありましたが、今の気温変化は急上昇なんです。指摘されている原因は、大気中の二酸化炭素濃度が、年々観測史上最高を更新していることです。二酸化炭素は、大気中の熱を閉じ込める性質がある温室効果ガスです。産業革命以降、石油・石炭・天然ガスを燃やしてエネルギーにして、我々の生活は便利になった。一方で二酸化炭素を短期間で大量に排出してきました。その二酸化炭素を光合成で吸って酸素を出してくれる森林は伐採されてきました。温暖化は最新の科学でも証明されている事実で、今は次の段階に来ています。私たちはどうすればいいのでしょうか? 温暖化は急には止まりません。2023年もどこかで観測史上1位になる災害級の大雨に見舞われるリスクがあります。それを受け入れて適応策を考えなければなりません。同時に未来について、今から何ができるか、今のうちにやっておく取り組みが必要になります。32

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