KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年1月号
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チャ雪は雨に変わり、昔より降雪は少なく、一方で強い寒気がきた時は大雪と極端化しています。神戸は梅雨の大雨にご用心神戸の災害や水害についての危険性はどう考えたらよいのでしょうか?普段は過ごしやすい神戸ですが、梅雨の時期は要注意です。何十年に1回、災害級の大雨になります。過去の災害を調べると、阪神間で起きた「昭和3大水害」では、川が氾濫し土砂崩れが起こり、多くの人が亡くなっています。平成になってからも昭和3大水害に匹敵する大雨がありました。2018年の西日本豪雨です。神戸の水害の傾向としては、1年のうちで6月~8月頭の梅雨の時期に集中しています。梅雨前にはしっかり対策をとって、他の時期はゆっくり恵まれた自然環境を楽しめばいいわけです。神戸の気候ってどう感じておられますか?めちゃくちゃ暮らしやすい場所ですよね。明石もそうですが瀬戸内気候は穏やかで過ごしやすい。山も川も海もある。生活に便利で自然にも囲まれ、海の幸、山の幸、灘五郷の日本酒など美味しいものがあって、恵まれていると思います。この2023年冬の神戸の予報をすると、ラニーニャ現象で多分寒いはず(取材時11月の予想)。冬は北風が吹くので日本海側の雪も中国山地までに全部降って、あとは冷たいからっ風だけが山を下ってくる2023年冬の天気予報六甲おろしに。だから、元旦も晴れる確率は、かなり高いんです。さて、結果はどうなっているでしょうか(笑)。冬が寒いと温暖化のことを忘れてしまいそうですね。100年前と比べると、神戸の平均気温は2度くらい上がっています。それは100年前の鹿児島や宮崎、熊本と同じぐらいの気候です。だけど、1年単位で見ればラニーニャ現象やエルニーニョ現象のような変化に左右されます。「温暖化なのに寒いじゃないか」と思ってしまいがちですが、長期目線・短期目線、別で考えなければなりません。例えば「雪」。簡単に説明すると、温暖化で大気中の温度が高くなると海の温度も高くなって、どんどん水蒸気が湧き出します。空気中でいっぱいになると、気温が0度以上なら凝結して水滴になって雨、0度を下回ると凝固して雪になります。わずか1度の差で、水分を多く含んだベチャ雪は雨になります。近畿の日本海側で降っていたベお天気キャスターとして活躍中の蓬莱大介さん。明石出身の蓬莱さんにとって神戸は遊び場だったとか。異常気象が騒がれる昨今、企業や自分の身を守るために必要なこと、気象に興味をもつことの面白さなどを伺いました。31

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