KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年1月号
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年)など約30年にわたり、今も語り継がれる数々のヒットドラマを手掛けてきたベテラン演出家だが、「あのDr.コトーの…」という枕詞を付けて紹介されることが多かったという。それだけに、「他にもいろいろなドラマを撮ってきたし、もっと〝数字〟を取っているものもあるし…」と本音を吐露する新作の小説や映画に新譜…。これら創作物が、漫然とこの世に生まれることはない。いずれも創作者たちが大切に温め蓄えてきたアイデアや知識を駆使し、紡ぎ出された想像力の結晶だ。「新たな物語が始まる瞬間を見てみたい」。そんな好奇心の赴くままに創作秘話を聞きにゆこう。第26回は、フジテレビの演出家で、公開中の映画「Dr.コトー診療所」の監督を務めた中江功さん。文・戸津井 康之ドラマ制作一筋34年…〝代表作〟の映画化に込めた思いTHESTORYBEGINS-vol.26■映画監督■中江 功さん⊘ 物語が始まる ⊘「Dr.コトー診療所」である。2003年に放送が始まり、シリーズ化された人気ドラマ。2004年のスペシャルドラマ、2006年のシーズン2、そして現在公開中の映画版、全シリーズを通じて制作に関わってきたのが中江監督だ。「ひとつ屋根の下」(1993年)や「若者のすべて」(1994ドラマ演出の名手「これまで、さまざまなドラマを手掛けてきましたが、今の自分にかなり影響を与えてくれた作品だったと、改めて強く感じています。これは自分の代表作だったのだと…」こうしみじみと中江監督が振り返る作品。そのタイトルは24

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