KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年1月号
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マイナカード健康保険証の普及など医療DXにも取り組む(注)※記事内容は取材日(2022年11月29日)時点での情報に基づいています。新型コロナウイルスやマイナカード保険証等に関する情報は日々変化しています。最新の情報は各自ご確認ください。県は阪神・淡路大震災を経験していることもあり、災害医療対策が進んでいますので、これまでも東日本大震災や熊本地震、岡山の西日本豪雨などにJMAT兵庫を派遣するだけでなく、他県の医師会の研修会に講師を派遣もしています。─マイナンバーカード(マイナカード)健康保険証が話題になっていますが。八田 マイナカード健康保険証のオンライン資格確認が2023年4月から原則義務化という政府の方針がありますが、現在運用しているのは全医療機関の約3割ですので、4月の完全義務化は難しいと思います。半導体不足で必要な機材を入手できないのが実情ですし、完全義務化といっても、それについていけない医療機関の保険診療ができなくなるのはおかしなことですから、それは医師会として守っていきたいと思います。─なぜ国は義務化をそんなに急ぐのでしょうか。八田 マイナンバーカードを普及させようとしているからですよね。今マイナカードの普及率は6割くらいで、そのうち保険証として利用しているのは2~3割くらいです。国は2年後にマイナカードと保険証の一本化を目指していますけれど、それが本当に良いのかどうか。マイナカードの発行は任意です。一方で日本は国民皆保険なので、保険証はみんな持っているんですよ。それで政府はマイナカードと保険証を一本化しようとしていますが、マイナカードを取得しないことで保険医療が受けにくくなるということは、その人が不利益を被ることになりますので避けないといけません。いずれ医療DXで情報化は進むのかもしれませんが、しばらくはマイナカード保険証と普通の保険証を併用していくことが国民のためになるのではないでしょうか。─最後に、2023年の展望を。八田 2023年もポストコロナにはならないと思います。ウィズコロナとして、いかに新型コロナウイルス感染症と付き合っていくかが、医師会も県民も大事になってくるでしょう。コロナが始まった頃はワクチンも治療薬もない丸腰で闘っていた訳です。でも今はワクチンも治療薬もそれなりに揃ってきています。その辺りも含めて、みんなで感染対策をしっかりとしながら闘っていきたいと思います。また、医師会の活動をもっと県民のみなさまに知っていただけるよう、広報活動にも力をいれていきたいですね。101

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