KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年1月号
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医師不足や偏在に対し「ドクターバンク」を活用する協議を行っています。また、別に各医療圏へ役員と共に訪問もしています。このようにコミュニケーションをとることによって、郡市医師会との相互理解を深めています。─医師不足や医師の偏在に対し、ドクターバンクを設置していますが。八田 平成18年からはじめ令和4年4月の時点で求人数は1469人、求職者は318名という状況です。平均して毎月1件のペースで成立していますが、他の地域と比べると誇れる実績ではないかと思います。最近はリタイヤされる開業医の先生に後継者がいらっしゃらないケースも多いのですが、その対応として医師会に医業承継における相談窓口を設置し、兵庫県医療信用組合や神戸医師協同組合と連携して取り組んでいます。─女性医師の現場復帰も医師不足解決の一助になりますよね。八田 県医師会では、県の委託事業として女性医師再就業支援事業を実施しています。これは、出産や育児などで離職や退職された女性医師を対象に、復職の前に再研修を行うもので、研修後に県内の医療機関での勤務を条件に約1か月間、無料で病院研修を受けていただけるものです。また、女性医師支援窓口も設置し、子育てや復職などについて先輩女性医師がアドバイスしています。ほかにも、ベビーシッター費用の一部負担も行っています。女性医師の復職はまだ少ないですが、これからも女性の医師が働きやすい環境づくりを進めていきます。ウィズコロナはまだ続く─日本は災害の多い国です。医師会としてどのように災害に備えていますか。八田 日本医師会が組織し、急性期から慢性期に活動する災害医療チーム、JMAT兵庫には隊員として約600名の登録があり、そのうちの9割が開業医の先生なんですよ。これは全国でも例のない構成です。医師会はJMAT兵庫隊員を対象にして、災害発生直後から対応できるように実務研修会を毎年実施しています。また、災害時の相互支援協定を、兵庫県のほか近畿各府県医師会、さらに徳島県や宮城県とも締結しています。加えて、兵庫県歯科医師会、兵庫県薬剤師会、兵庫県看護協会ともJMAT支援協定を結んで、有事の際に動けるようにしています。兵庫100

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