KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年12月号
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仕事柄、飲食店への取材が多く精算時にはボトルキープをするようにしている。これは「また来ます」と感謝の気持ちを込めた一期一会の儀式。関西一円にマイボトルが点在しており処分されないよう絶妙のタイミングで再訪を重ねている。そんな私の癖を知った知人から「今度、私のボトルで飲みませんか?」と嬉しいお誘い。やって来たのは生田神社のそばにあるミュージック・カラオケバー『Poet』。カウンター越しに出迎えてくれたのはママの白石弥生さんだ。前職ではファイナンシャルプランナーをしていたが、たまたま遊びに行ったジャズバーで働くことになり2020年に独立した。コロナ禍での船出は前途多難を極めた。しかし店内の一角をLIVEスペースとして活用しSNSで告知した結果、多くのミュージシャンが集うようになった。「20~70代の幅広いお客様が来られます。ここで初ライブした後にプロのミュージシャンになった方もいます。これからも音楽を楽しめる場所にしていきたいです」。取材を済ませた翌日、「予約制だが実はカレーも美味しい」と言う情報を耳にする。すっかりその口になった…。結果、夜が更けるのを待ち「昨日はありがとうございました」と言いながら卸したてボトルと再会した。第一〇八回ボトルキープは常連の証歌とお酒『Poet』神戸のカクシボタンkakushi button写真/文 岡 力国産野菜を使用した洋風味付けのアテをつつくホイットニーヒューストン好きのママ■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載「のぞき見雑記帳」(大阪日日新聞)「球友再会」(月刊神戸っ子)■Poet神戸市中央区下山手通2-17-10ライオンビル三宮館403【営】17時から23時【休】日祝、他不定休公式Twitter演奏前の真剣な面持ち89

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