harmonyVol.58はーもにぃ公益社団法人家庭養護促進協会事務局長橋本 明マスクと子どもの発達〈下〉愛の手運動は親に育てられない子どもたちに、里親・養親を求める運動です。募金箱の設置にご協力いただける方は協会にご連絡ください。公益社団法人 家庭養護促進協会 神戸事務所神戸市中央区橘通3-4-1 神戸市総合福祉センター2FTEL.078-341-5046 https://ainote-kobe.orgE-MAIL:ainote@kjd.biglobe.ne.jp前号で、マスクの着用が子どもの脳と発達に何らかの影響を与えているのではないかという事を書きました。京都大学の明和政子先生のお話によると、幼稚園や保育園の保育士さんからマスク着用で「子どもたちの表情が少し乏しくなった気がする」「言葉の獲得がゆっくりになった気がする」「微笑みかけてもマスクをしているので子どもたちの反応が弱い」というような発言があるようです。コミュニケーションは相互の豊かな表情の中でのやりとりでできるので、マスクで表情が読み取りにくい状況でのコミュニケーションの方法として、「透明型のマスクをつける」「言葉に頼らず、身振りを大きくするなど、ボディランゲージを工夫する」「発表のときなどに、表情を描いた絵カードを使い、すごいね、よくできたね、と伝える」。家庭ではマスクをつけていないが、より積極的に豊かな表情やコミュニケーションをとる工夫をしたり、身体接触を多くする事が大切です。テレビの出演者達はマスクをつけていないので、テレビをこどもに見せておけばいいのでは、と言う人もいますが、テレビは身体接触がないので、抱っこしたり、膝に乗せたりしながら「おもしろいね」「嬉しそうだね」と画面を共有しながら見て、子どもが心地よいと感じる感覚を増やすといいし、絵本を見ながら「楽しいね」と時間を共有するのはとてもいいようです。ここ数年、コロナで身体接触が制限されているのは問題で、オンラインでのやりとりは便利ではあるけれどもインターネットでのコミュニケーションが多くなると、相手との共感が育ちにくくなり、子どもの脳の発達が心配になります。人の脳は25年かけて発達するので、大人にとって便利なネット社会であっても、子どもの脳の発達にとって良くないこともあるので、5年、10年先に脳がどうなっていくのかを調べる必要があると思います。(ラジオでの明和政子先生のお話の一部をまとめました)88
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