選ぶ。関本さんはそんなまわりの人たちの気持ちがわかるからこそ、ちょっと窮屈に感じていたそうです。でも、例えばちょっとした顔見知りの町のおじさんが「先生、聞いたで。がんばってな。応援してるで」となんのてらいもなく言ってくれたとき、それがとても嬉しくて明るい気持ちになれたと話しておられました。「がんばれ」は悪い言葉ではない。僕はそう思いました。病気の人を支えるためには、専門的な医療者の治療も、医学的な知識も大事だけど、なにげない関係性の中で本当にシンプルに応援したい気持ち、無理な励ましやおせっかいじゃなく、心からの「がんばれ」は大事なんじゃないか。それは、ちょっとした関係性でもいいんです。純粋な応援は人を支える力になります。関本さんに声をかけたおじさんの「がんばれ」はとても大切なものだと思います。青山先生にしつもんQ.診断や治療にあたって、先生が心掛けておられることはどんなことですか?A.もしかしたら自分の判断が間違っているかもしれないということを頭の中においています。それは例えば、この薬が患者さんに合うと思って処方しても、実際は合わない可能性もあることや診断や見立てが実際の症状とずれている可能性もあるということ。100パーセントではないということです。Q.医学の道を志された理由は?精神神経学を専門に選ばれた理由は?A.元々高校時代から人の心やその広がり、多様性に興味がありました。それと、今になって思うと、やはり人のためになるということをしたいという気持ちもあったのだろうと思います。医学部卒業の頃、外科や他の診療科と迷った時期もあったけれど、自分のイメージする医療に、精神科はとてもフィットしていたと思います。Q.私たちが健康に過ごすために心掛けるべきことはどんなことでしょう?A.最近の健康ブームですが、〇〇トレーニングや〇〇ダイエットなど、合ったものをとりいれるのはいいけれど、強迫的にならないように気を付けてほしいと思います。トレーニングやダイエットに縛られて、日々を楽しむことができないのは本末転倒。何気ない幸せや日々の彩りをじっくり味わうことも大事です。87
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