KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年12月号
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神戸ゆかりも… キャストもスタッフも、「嘘八百」の撮影現場は〝オール関西〟のような雰囲気に包まれる、と今井さんは言う。脚本の今井さんが堺市出身、同じく堺市出身で現在放送中の朝ドラ「舞い上がれ!」の楽曲も手掛ける富貴晴美さんが音楽を担当。「中井さんのお父さんは京都出身のスター俳優、佐田啓二さんで、佐々木さんの実家は京都の蔵元。関西にゆかりのある俳優やスタッフが結集することで、嘘八百独特の世界観が生まれました」実はこのシリーズは、神戸など兵庫県ともゆかりが深い。佐々木さんは実家の蔵元を継ごうと神戸大学農学部に進学。脇を固める関ジャニ∞の安田章大さんと松尾諭さんは共に尼崎市生まれで、ベテラン、笹野高史さんは淡路島の造り酒屋に生まれ、県立洲本高校の卒業生でもある。さらに、「武監督は豊臣秀吉が仕えた織田信長のおひざ元、愛知県の出身。何かしら〝因縁〟あるキャストやスタッフが集まっているんですよ」と今井さんは笑う。堺市で生まれ育った今井さんは、府立三国丘高校から京都大学へ進学。卒業後は広告大手のマッキャンエリクソンに入社し、コピーライターとして勤務しながら、脚本家修業を始めた。その理由について、今井さんは「会社で働く中で、いつしか、広告主にではなく、もっと広く世間に向けて後に残る作品を作りたい。そう思うようになっていったんです」と語る。「多くの人に物語を届けたい」。その一念で、脚本を執筆しては、様々なコンテストに応募した。2002年、脚本家としてデビューした映画「パコダテ人」は、現在、ヒットメーカーとして知られる前田哲監督が、まだ駆け出し時代にメガホンを執り、主演を人気女優、宮㟢あおいが務めた話題作だ。「函館市主催の映画祭のコンクールに応募し、シナリオ部門で準グランプリを受賞した脚本です。この脚本を偶然、手に取り、気に入ってくれたのが前田監督だったんです。 脚本の表紙に書いていた私の連絡先へ前田監督が直接、電話をしてきてくれて…。本当に驚きました」と振り返る。デビュー後は、大沢たかお主演の「子ぎつねヘレン」など大作映画の脚本を手掛け、2009年にはNHK連続テレビ小説の脚本家に抜擢され、「てっぱん」の脚本を執筆。人気脚本家となっていく。自分が動けば世間も動く「嘘八百」シリーズは、足立さんとの共同脚本だが、どのように生み出されるのか。「打ち合わせで意見交換して、脚本を往復書簡みたいにやりとりして、練り上げていきます」例えばこんな風に…。今作では、運気を高めるという「波動アート」を描くカリスマアーティスト、TAIKOH(安田)とTAIKOHクリエ24

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