KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年12月号
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千利休、古田織部、そして秀吉。シリーズを通じ、歴史上の人物ゆかりの美術品が登場。その骨董品をめぐり、則夫と佐輔がタッグを組み知力を結集して美術界へ挑む…。二人の〝仕掛け〟は常に巧妙で凝りに凝っているのだが、今作は、いったいどこまでが事実で、どこからが嘘なのか?「ホントのような嘘だらけですよ。だってテーマが〝嘘八百〟なんですから」と、今井さんは笑いながら煙に巻く。だが、秀吉の生きた時代が日本のガラス技術の創成期と重なるなど美術史の事実を背景に、巧みに陶芸の専門知識が散りばめられた脚本は緻密。古美術ファンをもうならせ堪能させる。「私は陶芸も古美術もチンプンカンプンなのですが、親身になって知恵を授けてくれる専門家が身近にいました。映画で嘘をつけるのは、真実の積み重ねのおかげなんです」「プロット協力」としてエンドロールにも名を刻む陶芸家の檀上尚亮さん、堺市博物館の学芸員 矢内一磨さんは「このシリーズになくてはならない知恵袋」、また、大阪城天守閣学芸員の跡部信さんには「秀吉まわりを固めていただきました」と感謝する。23

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