KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年12月号
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コギリ、ノミ、カンナの種類が豊富で、なかでも造作加工用の突きノミが充実しています。幅や厚みの異なるノミを使い分け、精緻な加工を得意としたであろう棟梁の仕事ぶりがうかがえます。江戸時代には多様な建築形式に応じて大工仕事が専門分化し、道具もまた穴を掘る、溝をつくる、曲面を削る、といったそれぞれの作業に特化したかたちに分化しましたが、道具がどのように発達したのか知る上でも貴重な資料です。職人にとって道具は体の一部ともいえる大事なもの。完成した社殿とともに、棟梁は自身の生きた証を残したかったのかもしれません。(学芸員・植村昌子)神戸市中央区熊内町7-5-1Tel.078-242-0216休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)https://www.dougukan.jp/ 竹中大工道具館B1F展示室 桃山天満宮をつくった道具59点(江戸時代末期)TAKENAKA CARPENTRY TOOLS MUSEUM竹中大工道具館13

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