KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年11月号
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増加傾向にあること、これまで比較的少なかった女性や20歳代の若年層の自殺が増加していることが分かっています。コロナ禍では、学業や仕事の仕方も、人間関係のあり方もずいぶん変化が求められました。家族関係にも大きな影響があったと思います。世の中のムードや気配に誰もが否応なく影響されました。そういったことが自殺者数の増加に繋がっているのだと思いますが、今の時点ではっきりした因果関係は分かっていません。精神科を受診される方の増加は、コロナ前から続いている傾向ですから、直接的な関係はないのではないかと思います。―「ストレスがたまる」「メンタルが弱っている」など、会話の中で普通に使うこともあります。現代社会はストレス社会?社会や仕事や人間関係は、自分を支え守ってくれるものでもあり、自分を傷つけ消耗させるものでもありますよね。それはきっと今も昔も変わらないでしょう。でも今自分が弱っていること、参っていることを「ストレス」や「メンタル」と言う言葉を使って表現できたり、助けを求めたりできるようになったことは良い事だと思います。―言葉にすることは悪い事ではないのですね。そうです。ただ、そういう声を上げることもできず、助けを求めることすらできない方も多くいらっしゃって、そういった方たちの中にこそ深く傷つき疲れ果て、助けや支援が必要な方がいらっしゃることに、私たち医師も社会も目を向けるべきでしょう。最近では、例えば虐待の問題やヤングケアラーの問題などがそれに当たると思います。―ストレスと依存症は関係していますか。インターネット、ゲーム、スマートフォンなど。特にスマートフォンを手放せない人は増えているのでは…。依存症との境界線はどこですか。人間誰しも多かれ少なかれ何かに依存して生きているものかもしれません。また、「〇〇がなくては困る」、「〇〇なしでは日常生活が立ち行かない」という意味では私たちの生活は多くの部分でスマートフォンやインターネットに依存しています。一方で私たちが診断する病的な依存との違いは「〇〇をする(使う)ことでかえって日常生活や人間関係に支障を生じる」という点です。ストレス発散や日々の楽しみとして、お酒を飲んだりパチンコや競馬などのギャンブルを楽しんだりする方もいらっしゃるでしょう。そういった方にとってお酒やギャンブルは、ストレス発散や気分転換のためのツールであったはずが、病的な依存状態になると、お酒やギャンブル98

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