「こころの病気」とも言われる精神疾患について、10月号に続き青山慎介先生に伺います。うつ病や躁うつ病、依存症など、耳にすることも多くなった「こころの病気」ですが、私たちは正しく理解できているのでしょうか。 ―10月号は〝精神科受診者が右肩上がりに増えている〟というお話がありましたが、どのような病気が多いのですか。増えているのは認知症やうつ病、躁うつ病などの気分障害、ストレス性疾患などです。以前に比べて精神科の敷居が低くなって受診しやすくなったこともあるでしょうし、高齢化や社会的な状況の変化、様々なストレス、いくつもの要因があると思います。認知症については脳神経内科と連携し、早期診断・治療に努めています。―気分障害は、誰しもがかかる病気なのでしょうか。うつ病や躁うつ病は、誰にでもかかる可能性のある病気です。性別によってかかりやすい年代に違いはありますが、若者からお年寄りまで広い年代でかかる可能性があります。前の回でもお話ししたように、治療には心理的な働きかけや、その人を取り巻く環境への働きかけと同時に薬を用いた治療も行うことが多いです。―薬の依存性を心配する声を聞くこともあります。確かに薬の依存性を心配される方は多いですね。睡眠薬や不安を鎮めるようないわゆる安定剤の中には“依存”だけでなく、使用しているうちに効果が弱まってしまう“耐性”を起こしてしまう薬が少なからずあります。強い薬を長い間使用していると、ますます依存や耐性が強まりま神大病院の魅力はココだ!Vol.15神戸大学医学部附属病院精神科神経科青山 慎介先生に聞きました。その296
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