KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年11月号
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そ、いま残っている絨毯に価値があります。永田 もし制作コストを日本人の賃金水準で換算すると、1枚数千万円になるでしょうね。それが買える金額なのは、いまのうちだけかもしれません。玉木 例えばこれ1枚つくるのに4年かかりますから、在庫をトータルの時間で表すといったい何人分の人生なんだと。そう考えると責任があるので、みなさまにちゃんと橋渡ししていきたいなと思うんです。─永田良介商店150周年を記念する絨毯フェアは、どんなラインナップになりますか。プしますね。玉木 日本では一部の産地や種類しか紹介されていないのですが、実は、知られていない絨毯の中に本当に良いものがあるのですよ。表面的にきれいな絨毯ではなく、「本当に気持ちが入っている絨毯」をご提案させていただきます。─今後、ペルシャ絨毯はどうなっていきますか。玉木 少子化などの影響で職人が増えることはないので、安定供給は絶望的かもしれません。手仕事で一結びずつ結んで切っていますから、21世紀の仕事ではないです。だからこ永田 作り手の気持ちが込められた、本物の絨毯をご用意いたします。玉木 僕が自信を持って選んだ、普段目にすることができないような産地や柄の絨毯をみなさまにお届けしたい。イラン革命以前の、寝かしたワインのような素晴らしい絨毯を、見て触れて、そして踏んでいただきたい。絨毯は踏むためのものですから。永田 ロングランですから、いろいろと出せるでしょうね。玉木 途中で入れ替えながらね。ご来店よろしくお願いします。72

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