KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年11月号
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ね。町の数ほど種類があるそうですが、それぞれが全く違うんです。雰囲気も、柄も。玉木 糸の撚り方も染料も、羊の種類まで違うんです。品質が高い革命前の絨毯─イラン革命の前後で絨毯の質が違うそうですが。玉木 イラン革命で追放されたパーレビ国王は、国の産業としてペルシャ絨毯の復興に力を尽くしました。有望な工房をサポートし、国営の工房まで設置する力の入れようで、最高の材料を用意し、腕の良い職人やデザイナーを養成して、良質な絨毯をつくる環境を整えていたのです。一方、当時のイラン国民は貧富の差が激しく、低賃金で働く絨毯の労働力がすごくあり、良質な絨毯がたくさん制作されていました。革命後はそのような体制がなくなったので、その後質が落ちていったのです。─質の良い古い絨毯がなぜ手に入るのでしょう。玉木 イランでは貨幣に信用がないので、お金持ちが絨毯を貯金がわりに資産として保有していたりするんです。─現地の仕入担当とどのように信頼関係を築いていますか。玉木 僕は純粋に良い絨毯が好きだから、ほかの日本人と違うなとか、親近感とかを感じてもらって。だからマトモなものが手に入るんだと思います。永田 いまの現地仕入担当は、玉木さんが集めたライオンラグの展示会で出会ったんですよね。それを見て玉木さんを「マニアック!」と思ったんでしょう。玉木 それで信頼を得たんだと思います。手に入れるならいま!─ペルシャ絨毯をインテリアに採り入れるポイントは。永田 さまざまな種類があるので、モダンでもナチュラルでもいろいろな雰囲気に合わせられることが魅力ですし、そこが絨毯の面白みなんですよ。意外と和室とも好相性なんです。お部屋が確実にワンランクアッイラン遊牧民の手織絨毯「ライオンラグ」。その姿を想像しながら織り込んだ71

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