KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年11月号
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ア。街外れの農地で暮らすテオ(中山優馬)は、幼馴染で領主の娘、エウリデュケ(夏川アサ)との婚礼の日を迎え、人生の門出に立っていた…。「今、舞台本番に向け、クラシック・バレエを猛練習中なんです。即興で踊りも自由なのですが、基本の形はあり、それがクラシックバレエ。体幹だけでなく手先、足先の動きまで大切で。これが本当に難しい」と語る。12歳でジャニーズ事務所に入り、トップアイドルとしてステージの中央で歌い踊っていたのだから、踊りは得意なはずでは?「そう想像するでしょう。それが、これまで僕が踊っていたダンスとはまったく趣が違って。別物なんですよ」と苦笑した。即興の演技に歌、そして、これまで未経験で最高難度のテクニックが求められるクラシック・バレエ…。今回の舞台がいかに〝難攻不落の強敵〟なのかが想像できる。が、難しい。本当に〝強敵〟なんですよ」なぜ、「池田さんは演出家として、自分を主演に抜擢したのだろうか?」。その理由は明白だった。「この強敵を倒すには?何カ月も費やし、必死で戦い続けないと絶対に勝てない。自分と一緒に戦ってくれないか?こんな芝居へ懸ける彼の情熱を知っているから、引き受けないわけにはいかないでしょう」今回の舞台は、脚本も読まずに出演を決めたという。それは異例のことだった。「これまで出演依頼を受けた場合、僕はその脚本をじっくりと読んだうえで、出演するかどうかを決めているのですが、彼から〝次の舞台に出てほしい〟と依頼されたときは、『出ます!』と即答していました。まだ、脚本もなく、どんなお芝居かも分からない状況だったのですが…」と打ち明けた。初挑戦づくし舞台は、大海の孤島アミリが、かなりの強敵なんですよ」と困惑した表情を浮かべた。俳優で演出家、池田純矢が主宰する舞台公演「エン※ゲキ」シリーズの第6弾。タイトルは「即興音楽舞踏劇『砂の城』」。その主演に抜擢されたのだ。「このシリーズでは第4、5弾の舞台を実際に観劇していて、ずっと興味を持っていました。シリーズのすべての脚本、演出を務めてきた池田さんとは俳優として共演もしていて、いつか一緒に舞台をやろうと、2年半ほど前から約束していたんですよ」と明かす。新作は、このタイトル通り、歌も踊りも即興で演じるというのだが…。「芝居の中で僕たち役者は、ピアノの伴奏に合わせて歌を歌い、踊るのですが、歌詞も踊りも基本的には自由なんです。ピアノの伴奏さえ、僕たち役者の歌でリードすることも許されている。でも、即興で自由に演じられるだけに、役者の技術、力量が問われる。何度も練習を繰り返しています26

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