KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年10月号
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金泉には炭酸ガスやミネラルが豊富で鉄分も多く、女性によくある貧血などに効能があることから「婦人の湯」とも評される。また、海水の約1.5倍という高い塩分濃度やメタケイ酸により保温・保湿・殺菌効果が高いので、皮膚の疾患にも良いという。蒸気にはメタホウ酸などの成分が含まれているので、湯気を吸うだけでも健康に良いそうだ。ちなみに、湧出直後は無色透明だが、空気に触れることで鉄分が酸化し、独特の金色へと変化する。銀泉は新陳代謝を促進し自然治癒力を高めるといわれるラドン、毛細血管を拡張し血流改善に効果がある炭酸ガスをたっぷり含む。成分の濃度が人間の体液より薄いので体内に水分を取り込みやすく、サラリとした湯触り。炭酸成分によりシュワッとしていて、飲むと食欲が増進するという。 温泉のうち特に治療の目的に供しうるものが療養泉とされており、環境省の指針により主成分ごとに10の泉質に分類されているが、有馬温泉はそのうち8つの泉質で主成分として含まれる物質を含有。つまり、有馬温泉に浸かると、単純性温泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、含ヨウ素泉、放射能泉の泉質を有する効能が期待できるという訳だ。これだけ多くの成分が含まれるのは世界的にも稀少だという。しかも金泉・銀泉という2つの違う性質の湯が同じ土地から湧出するというのは、かなりレアなケースだ。銀泉金泉有馬温泉74

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