ト・ラワース著)、『隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』(ルドガー・ブレグマン著)、『ブルシット・ジョブ―クソどうでもいい仕事の理論』(デヴィッド・グレーバ著)の3冊をもとに構成していますが、実際に読破するのは僕自身も難しかったので、山の上では情報としてのエッセンスを文章に散りばめて、ご紹介しています。今回は、みなさんに考えてもらう機会を提供できればと思い、できるだけ問いかける形にしています(公式サイトで9月号1.1―1.4のZINEを公開中)。―ZINEと一緒に設置されているノートには、参加者の思考の足あとがどんどん蓄積されますね。月に一度開催するミートアップではみなさんの歩いた感想を中心に、こちらからはコミュニケーション論や組織の話を具体的にできればと考えています。ノートに書いていただいたコメントは、「NL/ROKKO」終了後、公式サイトでご紹介する予定です。ZINEでも「なぜ働くのですか」というアンケートの答えを紹介していますが、お金のためというより、他人のためにと答えた人が思った以上に多かったのは一つの発見でした。―「Niksen」の時間をとることや、コミュニケーション論、組織論の学びはとても貴重で、職場にそれが反映されるためには会社のトップ層にもこのような取り組みを伝えていければいいのですが。昔から経営者は山歩きをしたり、一人の時間を作ることが大事だと承知していた方が多かったし、六甲山はそういう場でもあったはず。今回、経営者の方が新しい動きや考えをキャッチしてくれるのではないかと期待しています。「ROKKONOMAD」の会員企業さまや、山歩きをされている経営者の方がこの「NL/ROKKO」を広げてくださったり、ZINEを読んでくださると嬉しいですね。そして、これからはトップダウンではなく、社員から声を上げていく時代になると思います。「仕事」から─「活動」へ―9月のZINEで印象的だったのは「楽しむリテラシーこそが、これからの技術」という言葉です。これからは業務のDX化により仕事のボリュームが少しずつ減ると同時に、AIロボットが普及し、人がやらなくてもいい仕事が増え、職種による給与格差の広がりが予想されます。そこでセーフティーネットとしてベーシックインカムの議論や、ある一定の業種、企業に大きな儲けが入る仕組みを是正していくと、もしかしたら今のようにたくさん働かなくてもいい時代が何十年後かに来るかもしれません。一方、仕事から解放された時間をどうやって過ごせばいいのかわからず、病んでしまう人も出てくるでしょう。だから、子どもの時から自由に時間を過ごす体験をした方がいいし、産業革命時代は労働、今は仕事と呼ばれているものが、将来的には活動と呼ばれ、「私はこうい34
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