見せられる展覧会であった。この展覧会は一般の人達のための展覧会でありながら、同時に作家に突き付けられた見たくない自分を見せつけられる展覧会でもあったと思う。実際の展覧会では冷汗はかけなかったけれど、今から当展覧会のカタログを開いて、自分のために恥をかくのも悪くないだろう。まあ、そしてそこにはきっと「私は何者か?」という答えが隠されているのかもしれない。り考えてみたことはないが、一度深く考えてみる必要がある。この展覧会は、自我の露出によって、いやになっていたかもしれない。だけどありとあらゆる自分に取り囲まれて、そこから逃げだしたかもしれない。そう考えると、自分に密着した生き方はかなりつらいと思う。そんな自分と対峙することで、大いなる自己否定ができたかもしれない。誰もが自分と直面してみたいと思うが、一方で自分を避けたいのである。自画像展は恐らく、吐き出された見たくない自分を美術家 横尾 忠則1936年兵庫県生まれ。ニューヨーク近代美術館、パリのカルティエ財団現代美術館など世界各国で個展を開催。旭日小綬章、朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞受賞。令和2年度 東京都名誉都民顕彰ほか受賞・受章多数。3月に小説「原郷の森」(文藝春秋社)が刊行された。横尾忠則現代美術館にて開館10周年記念展「横尾さんのパレット」を開催中。http://www.tadanoriyokoo.com「横尾忠則 画家の肖像」会場風景「横尾忠則 画家の肖像」横尾忠則現代美術館17
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