KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年10月号
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写真左から阪本紫朗さん(阪急ブレーブスおとな会)、玉置洋子さん、大谷隆史さん今回、特別に調理頂いた「幻のステーキサンド」アニマルさんとの懐かしい写真■洋食とワインのお店「土筆苑」西宮市高松町11-2-102【電】0798-65-3366 【休】月曜(祝日の場合は火曜定休) 連載コラム 「球きゅうゆうさいかい友再会」   文・写真/岡力<コラムニスト> あの日あの頃、いつの時代も白球のそばにはドラマがある。このコーナーでは京阪神の野球にまつわる様々なエピソードをご紹介します。Vol.4 聖地のお膝元で懐かしの味に出会った『洋食とワインのお店 土筆苑』「店名は創業時オーナーだった実姉が春好きだったことに由来します。球場のお膝元で商売をさせて頂き球団には恩義があります」。そう語るのは洋食とワインのお店「土筆苑」オーナーママの玉置洋子さん。かつて店舗の向かいには阪急ブレーブスの本拠地「阪急西宮スタジアム」があった。「昼夜問わず多くの選手が来られてファンへのサインにも応じていました」と振り返る。常連客のひとりに派手なパフォーマンスで旋風を巻き起こしたアニマル・レスリーさんがいた。現役引退後はタレントに転身したが「亜仁丸レスリー」というユニークな芸名は同店で誕生した(2013年死去)。名付け親になったのは世界の盗塁王と呼ばれた福本豊さんだった。「アニマルちゃんは焼きそばが好きで鰹節がヒラヒラ動くのを喜んでいた。あとは夜の定番メニューだったステーキサンドをよく食べていた」。2011年のリニューアル時から厨房を任される料理長の大谷隆史さんは断片的なエピソードをもとにその味を再現したことがある。2018年に期間限定で提供した「幻のステーキサンド」には多くのファンが歓喜した。「味の記憶は美化されやすいのでフォルムは残しつつ見えない部分にこだわりました。ヒレ肉は真空調理と遠赤外線調理を融合し90分かけて調理しました。ちなみに私は関東出身なのでどちらかと言えばライオンズ…」と笑う。趣がある山小屋風の店内で当時を懐かしみながらクラシックな洋食を楽しむことができる。105

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