KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年9月号
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役に立つはずの免疫力が自分の体を攻撃してしまう「膠原病」。患者数が多い関節リウマチもその一種だそうです。早期発見するにはどうしたらいいのか?治療法はどこまで進歩しているのか?三枝先生にお聞きしました。―膠原病とは?本来、体内に入ってきたウイルスや細菌を排除する役目を果たす免疫力が、何らかの理由で自分自身の臓器などを攻撃してしまう病気のグループが膠原病です。「全身性自己免疫疾患」と同義です。―関節リウマチもグループに入るのですか。はい。リウマチは免疫系が関節を攻撃する病気で、膠原病の一つです。グループの他の疾患に比べて患者さんの数が多いので、科名を「膠原病リウマチ内科」としています。―関節リウマチはどれくらい多いのですか。女性に多いと聞きますが…。膠原病は比較的まれな疾患が多いのですが、関節リウマチは全国で70万から100万人の患者さんがいるといわれています。一般病院の膠原病リウマチ内科では60~70%ほどが関節リウマチの患者さんですが、神戸大学病院ではより難しい病態の膠原病患者さんを受け入れるという事情があり、リウマチ患者さんは30~40%程度です。通院患者さんの約60~70%が女性ですから女性が極端に多いというわけではないですね。―稀な疾患にはどういうものがあるのですか。代表的なのは全身性エリテマトーデスといって、名前の通り頭のてっぺんから足の先まで全身のどこにでも病変が起こり得る疾患で、主に20~30代の若い女性に発症します。特定の臓器というわけではなく、脳や心臓、肺、腎臓など、患者さんによって起きる場所が違い、複数箇所で発症するケースも多いです。神大病院の魅力はココだ!Vol.12神戸大学医学部附属病院膠原病リウマチ内科三枝 淳先生に聞きました。84

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