ると技術の伝承にも繋がるんですよね。永田 修復するだけでなく、ブラッシュアップしていまできる最高の提案をしていくことは、僕も、うちの職人も勉強になりました。永田良介商店は今年で創業150年になりますけれど、〝継承する〟という感覚ではなく、〝毎回創業する〟という感覚で挑戦していかないと次の代に繋いでいくのが難しいと父が言っていましたが、その通りだと思います。古いものを守り続けるだけでなく、時代時代に合わせてできることを考えることも大切だと思いました。若林 この壁の中の柱に、スタッフの名前が書いてあるんですけれど、また百年後、ここを修復するときにそれが出てくるでしょう。文化財指定は目指さずに、いろいろな活動で使ってもらって、ここで何かを感じてもらいたいし、笑顔で帰って欲しい。そういうところであり続け、みなさんと一緒に文化の継承の場を創り上げていって、次の百年を迎えたいですね。5テラスのロッキングチェアも永田良介商店。 のんびりといつまでも過ごせそうな心地よさ 62Fダイニング。壁は、左官の久住章さんが何度もテストを重ねてこの絶妙なブルーに5631
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