KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年9月号
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ですから、僕は大まかな方針は決めますけれど、具体的にどうするかは職人さんたちと対話しながら。オーケストラの指揮者のようにすべてコントロールするのではなく、ジャズのセッションのような感じで。─手に入りにくい素材も使っていますよね。長尾 「古びる」のではなく「古美る」、劣化していく現代建築が多い中で、良い素材を用いることで時を経るごとに味になっていくというスタンスで考えています。窓枠などに使っているブビンガ材はとても高価で、こちらから提案できるようなものではないのですが、若林さんがいろいろ調べられて、こんなのどう?と。─家具はもともとここで使っていた永田良介商店の家具を再生したそうですね。永田 昔の姿に戻すのではなく、改修後の空間に合うようにという依頼でした。工事中でここが形になる前から椅子の生地を選んだり、建具の壁紙をセレ1985年生まれ。早稲田大学商学部卒業。大手住宅メーカーに勤務後、2014年に家業である永田良介商店で働き始める。2020年より代表取締役に就任。独自の世界観で家具だけでなくインテリアをトータルで提案している永田 泰資(ながた たいすけ)永田良介商店 六代目29

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