すよ」と吉崎さんは笑顔で豪語する。それを可能にするのは、吉崎さんが長年かけて研究開発してきたロボット制御システム「V-Sido(ブシドー)」だ。「V-Sido」とは、パソコンの頭脳をつかさどるOS(オペレーティング・システム)にあたるロボットを動かすための基本となるソフトウエア。「人間で説明すると、腕や足など身体を動かすための小脳や脊髄にあたる中枢と言えばいいでしょうか。例えば人は大脳を使い、自分の意思で考え 新作の小説や映画に新譜…。これら創作物が、漫然とこの世に生まれることはない。いずれも創作者たちが大切に温め蓄えてきたアイデアや知識を駆使し、紡ぎ出された想像力の結晶だ。「新たな物語が始まる瞬間を見てみたい」。そんな好奇心の赴くままに創作秘話を聞きにゆこう。第22回は、ロボットの制御システムを開発する「アスラテック」のロボットエンジニア、吉よしざき崎航わたるさん。巨大ロボットを動かせ! SFアニメの世界を現実にTHESTORYBEGINS-vol.22■ロボットエンジニア■吉崎 航さん⊘ 物語が始まる ⊘全高約4メートル、重量約4トンの大型ロボット「クラタス」や、人を乗せて動物のように歩く四足歩行ロボット。さらに極めつけは世間をあっと驚かせた全長18メートルの動く実物大の機動戦士ガンダム…。子供から大人まで。アニメやSFの世界の中でしか存在しなかった憧れのロボットが、現実に目の前で動く姿を見せられ、驚嘆の声をあげない者はいない。「全長20センチほどの小さなロボットから20メートル以上の巨大ロボットまで。基本的に〝動かせないロボット〟はないでロボット操縦の実現「将来、ロボットを作る仕事がしたい…。そんな夢を持った子供たちが一人でも増えたらうれしいですね。私が子供の頃、そんな職業は存在しなかったですから。でも、そのためにはまだまだ頑張って、この仕事を世の中に広め、そして定着させなければ…」こんな壮大な夢の実現に向け、吉崎さんはこれまで誰も手掛けてこなかった奇想天外なロボットの開発プロジェクトに挑んできた。18
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