KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年9月号
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いと思ってくれているんでしょうね。僕たちもがんばりましょう。横尾さんが見てるから。横尾忠則現代美術館にて「幼児性」があるから、あの作品が生まれ続けているわけで。平林 新しいものを見つけるのは早いですね。子どもの頃と変わらず、あらゆるジャンルの新しい才能に憧れる。ビートルズから始まって、イチロー、藤井総太、大谷翔平…。タイトルに「天才」がつく本が書棚にいくつも並んでいます。山本 現在も新しい作品を描き続けていて、年に3本の展覧会を開催している。横尾さんこそ天才ですけどね。平林 30回の展覧会すべて切り口が違うし、引き出しはまだありそうですね。─ところで、横尾さんには透視能力があって、東京のアトリエにいながら神戸の美術館の様子が見える、ようなことを書いておられますが、感じます?小野 アストラル体みたいな?平林 ないとは言えないかも(笑)。山本 ないと思いたい(笑)。 でもそれだけ美術館に来たそうですが、光を感じる独特の色合い。闇があるからこそ生まれた色とも言えます。山本 考えている時と形になった時の飛躍、ギャップっていうのが展覧会を作る面白さで、図面が凄い空間となって化けるんですよね。作品がイキイキとしてくる。こうなると作っている方もほんと面白くなってくる。今回の展示には感服しました。─開催に際し横尾さんのメッセージがありましたね。「何を描いたかではなく、色に着目して観てください」。小野 「考えるな、感じろ」という横尾さんのいつものメッセージでもありますね。山本 「無意味がいい」とか言葉から離れることがいい、って言われますが、横尾さんは言葉も天才的、文章も天才的。ご自身への言葉でもあると思うよ。平林 「エゴを捨てろ」とか。人間にとって無理なことはわかっているからこそ、ね。山本 好奇心があって、新しいものが好きで、そういう意味での左から、山本淳夫さん、平林恵さん、小野尚子さん横尾忠則現代美術館開館10周年記念展『横尾さんのパレット』2022.8.6 sat.~12.25 sun.開館時間 10:00~18:00※入場は閉館の30分前まで休館日 月曜日※9月19日、10月10日は開館。 9月20日(火)、10月11日(火)は休館詳細はコチラ17

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