KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年9月号
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神戸で始まって 神戸で終る 番外編Tadanori Yokoo今月は横尾さんの連載に時々登場する学芸員さんたちにお話しいただきました。横尾忠則現代美術館にて日々作品に向かう、横尾作品のスペシャリスト、山本淳夫さん、平林恵さん、小野尚子さん。横尾作品と横尾さんのことがもっともっと好きになる愛ある座談会です。山本 美味しいものを毎日おなかいっぱいって感じです(笑)。 開館したばかりの頃、1週間くらい部屋にこもって約1000種類のポスターを選別する作業をしたんですけど、最後の方は酔ってしまった。絵は人を殺せるんじゃないかと。芸術には“癒し”だけじゃなく“毒性”もあると実感しました。日常にない刺激を味わう美術館もあっていいんじゃないでしょうか。平林 コラージュのようにいろんな情報が詰め込まれているから、ストーリー、色、情報、すべてがtoo much(笑)。カンバスの中にカオスがあるから、意味を考えながら観ると混乱します。が、私たち─横尾忠則現代美術館は、“癒される”とか“落ち着く”といった一般的なイメージとは異なる美術館ですね。学芸員さんの楽しみとご苦労は?14

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