KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年8月号
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㈱ビッグ・エー代表取締役社長 三浦 弘(みうら ひろし)1969年神戸市生まれ。88年兵庫県立御影高校卒業、流通科学大学入学(一期生)。92年流通科学大学卒業、㈱ダイエー入社。2008年グループ事業本部長。13年㈱ビッグ・エー代表取締役兼㈱ビッグ・エー関西代表取締役。14年㈱ダイエー執行役員、㈱ビッグ・エー代表取締役社長中内㓛 生誕100年特集昭和63年(1988)、私は流通科学大学に一期生として入学し、92年の卒業後、株式会社ダイエーに入社しました。そして、平成25年(2013)より中内さんの創業された会社の一つ株式会社ビッグ・エーの9代目社長を務めております。この『ビッグ・エー』という社名は、Big=大(ダイ)とA(エー)ということで「ダイエー」に由来し、中内さんが命名しました。ビッグ・エーは、昭和54年(1979)に埼玉県大宮市(現さいたま市)に1号店をオープンし、現在は首都圏に約350店舗、年商約1200億円の規模となっています。42年前のオープンの頃、マスコミはダイエーの中内さんがまた新たなディスカウント業態を開発したと大きく報じました。また、当時の初代店長に直接聴いたことですが、1号店のオープン式直後、中内さんから呼び寄せられ「これからのダイエーは、どこよりも安売りすることが難しくなる。だから、ビッグ・エーはずっと安さを追求していきなさい」と指導されたそうです。中内さんは、翌年にトポス(1980年)、その後もDマート(1981年)、バンドール(1985年)とディスカウント業態を開発し続けていきます。安さへの飽くなき追求です。これは、中内さんが生涯貫かれたものであり、私にも伝承して頂いたものであると思っています。昭和32年(1957)、ダイエーを創業されたとき、中内さんはダイエー憲法も制定されています。それが、「よい品をどんどん安く」です。主婦の店ダイエーの1号店が大阪・千林駅前でオープンしてからまだ何年もしないうちに、安売りへの激しい抗議の声が上がりました。神戸三宮事務所にもメーカーや問屋、小売商が文句卒業生に聞く 理事長、CEO中内さんからのご教示「For the Customers」こそ最大の教え86

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