KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年8月号
67/136

「商売人が学校など作ってどうするんだ」との声に、中内㓛は次のように答える。「商売人として本分をわきまえ、儲けることに徹すればよかったのかもしれません。私の生まれ育った神戸の先輩達は、美田ではなく学問を後世に残した。神戸は昔から、このような気風がある。私もこれに倣い、百年の計として、流通という分野のうち屋台骨を支える人間を育てたい。これこそ流通という仕事に一生を捧げ、その発展を願う私の夢である」昭和63年(1988)神戸市西区に開学した流通科学大学に込めた㓛の強い思いでもあった。大阪で生まれ、神戸で育った㓛にとって、神戸は㓛の人間像を形成していく上での原点にもなった。本年8月2日、中内㓛生誕100年を迎える。この機会に、「人間・中内㓛」「教育者・中内㓛」の知られざる素顔について紹介したい。協力/学校法人中内学園流通科学大学67

元のページ  ../index.html#67

このブックを見る