KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年8月号
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物の日本建築をつくられる中村さんにお願いしたかったのです。─外国の方にも、日本文化を感じていただけそうですね。駿川 でもまずは日本人ですね。いま、日本の旅館では畳の上にベッドを置く和洋折衷が流行っています。中村 畳の上にベッドって嫌ですね。畳はカーペットじゃないんです。─今回のリニューアルを終えて、いかがですか。中村 我々は、世の中から求められなければ滅びていくだけなので、本当に良い物をこだわってつくっていくことが大事だと思っているのです。旅館はいろいろな人に来ていただけるので、私たちの仕事をもっと知っていただけるのではないかと期待しています。本当にありがたいことです。私たちのこだわりを感じていただければ。畳ひとつでも踏み心地が違いますから。駿川 数寄屋という日本文化の粋を集めた空間「双葉葵」で、いま忘れ去られようとしている本物の日本を、ぜひ感じていただきたいです。「花は野にあるように」とは利休の言葉です。私もその心を伝える花を入れて、お客様をお迎えしたいと思っております。有馬温泉 高山荘 華野兵庫県神戸市北区有馬町400-1TEL.078-904-0744(お受付時間9:00~21:00)https://www.arima-hanano.com/1本の木材を使用することで色合いの違いをなくす工夫がなされている。欄干には竹材が用いられている41

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