KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年8月号
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いに削ったものを使っています。10年、20年経つと増々いい艶が出て良くなります。─寝室の障子も素敵ですよ。中村 建築家の吉村順三先生が発案した吉村障子です。障子を洋の空間に持ってくると違和感があるので、洋にマッチするように桟の間隔を広くして、組子と框が同寸法になっています。窓は紅葉の木を眺め視界が開けるよう、センターオープンにしています。駿川 あの部屋のグレードや雰囲気に、家具はカッシーナしか合わないと直感的に思ったのです。それまで手が出せなかったのですが、今回は思い切って椅子からベッドサイドテーブルまで全部カッシーナにしました。少しでも備品を間違うと、空間全体が安っぽくなってしまうのです。中村 ずいぶんと悩まれていましたよね。駿川 座敷だけじゃなく、寝室もパウダールームもトイレもぜんぶ中村さんに施工をお願いして正解でした。中村 温泉設備は専門じゃないと難しいので、浴室だけはほかの業者さんにお願いしました。駿川 洗面の大理石の天板は中村さんが選んでくれたのですが、一発で気に入りました。中村 お気に召していただけると思って少しスタイリッシュな石を選びました。駿川 コンセントも、色や場所など考えぬかれています。完成後、従業員に感想を訊ねたら「美しい」のひと言。お客様も同じです。「立派」じゃなくて「美しい」。それが大事なんです。高山荘華野館主駿川 武志さん初代・中村外二は日本を代表する数寄屋大工であった。ニューヨークのロックフェラー邸、伊勢神宮茶室にも携わった高山荘華野創業:1956年客室数:16室(和室 14室、和洋室「山荷葉」1室、銀泉付スイート「双葉葵」1室)ラウンジ、レストラン、料亭、男女金泉銀泉大浴場一泊二食付宿泊料金:「双葉葵」 13万2000円~(税サ込み) 39

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